K-POP第5世代とは?サバイバル・バーチャルアイドル・ショートフォーム — ZEROBASEONE・RIIZE・PLAVE、当時何が起きていたか

第4世代がメタバースと自体プロデュースで舞台を広げたとすれば、第5世代(2023年〜)はその舞台の上で、もう一度「軽やかで身近な」方向へと舵を切った世代です。重厚な世界観や強烈なコンセプトの代わりに、ショートフォームプラットフォームに最適化された、心地よい日常感が特徴になっています。

第4世代が広げた舞台の上で、第5世代が始まった

  • PLAVE(プレイブ) — 2023年3月12日デビュー、5人組(VLAST)。実写ではなく、モーションキャプチャーによる完全アニメーションキャラクターとして活動するバーチャルボーイズグループ
  • BOYNEXTDOOR(ボーイネクストドア) — 2023年5月30日デビュー、6人組(KOZ Entertainment=HYBE)
  • Kiss of Life(キスオブライフ) — 2023年7月5日デビュー、4人組(S2エンターテインメント)
  • ZEROBASEONE(ゼロベースワン) — Mnetのサバイバル番組「Boys Planet」出身、2023年7月10日デビュー、9人組。デビューアルバムが発売と同時にミリオンセラーを記録し、第5世代の象徴的存在と呼ばれる
  • tripleS(トリプルエス) — 2022年10月に最初のサブユニット「Acid Angel from Asia」がデビューし、2023年にかけて24人体制が形成された多国籍ガールズグループ(MODHAUS)
  • RIIZE(ライズ) — 2023年9月4日デビュー、当時7人組(SM)。SMが新しいボーイズグループを出すのは7年ぶりで、「SM 3.0」体制の第1弾
  • BABYMONSTER(ベビーモンスター) — 2023年11月27日に6人体制で始動し、2024年4月1日に7人完全体でデビュー(YG)
  • TWS(トゥアス) — 2024年1月22日デビュー、6人組(Pledis)
  • ILLIT(アイリット) — JTBCのサバイバル番組「R U Next?」出身、2024年3月25日デビュー、5人組(Belift Lab=HYBE)

(人数はデビュー当時のもの。2024年末から2025年にかけてデビューしたHearts2Hearts・KiiiKiii・ALLDAY PROJECTなどを「本当の第5世代」と見る視点もあります。詳しくは後述します。)

実はK-POP業界でも「本当に第5世代が始まったのか」は今も議論の的です。2023年にデビューしたZEROBASEONE・RIIZE・BOYNEXTDOORを「第4.5世代」とし、2024年末から2025年にかけてデビューしたHearts2Heartsのようなグループからを本当の第5世代と区別する見方もあります。この記事では広い意味で、2023年以降にデビューしたグループ全体を第5世代として扱います。

重厚な世界観から、また身近な日常へ

第4世代が複雑な世界観と強烈なコンセプトで勝負したとすれば、第5世代は逆を行きます。気負わず聴けるメロディー、「隣にいそうな」親近感のあるイメージ、TikTokなどショートフォームプラットフォームに最適化された、短く反復しやすいポイント振り付けが特徴です。

スーパーファンダムシステムの再発明 — tripleSとObjekt

tripleSは24人が所属するガールズグループですが、全員が同時に活動するのではなく、ファンがNFTベースのフォトカード「Objekt(オブジェクト)」で投票してユニット構成を決めるという独特のシステムを運営しています。自称「世界初の非中央集権型アイドルグループ」。第4世代のaespaがメタバースで世界観を拡張したとすれば、tripleSはファン参加そのものをシステム化した事例だといえます。

バーチャルが本物になる — PLAVE

PLAVEは、実在の演者がモーションキャプチャーで演じる、完全アニメーションキャラクターのアイドルグループです。仮想世界「カエル」に暮らしていたキャラクターたちが、地球の開発者から力を授かって活動するという世界観を持っています。2024年3月、韓国の音楽番組で1位を獲得(バーチャルグループとして史上初)し、メロンTOP100でも1位を記録(歴代5組目のボーイズグループ)するなど、「バーチャルだから物珍しい」を超えて実力で評価されるようになりました。第4世代のaespaの「ae-」アバター(実在メンバーのデジタルツイン)とは異なり、PLAVEは最初から完全な仮想キャラクターである点が特徴です。

サバイバルオーディションの進化 — Boys PlanetとR U Next

第4世代のI-LANDに続き、第5世代でもMnet「Boys Planet」(ZEROBASEONEを輩出)やJTBC「R U Next?」(ILLITを輩出)のようなサバイバル番組が、絶えずグループを生み出し続けています。もはやサバイバルデビューは例外ではなく、標準的なデビュールートのひとつとして定着したのが特徴です。

ショートフォームは今や「企画」だ — チャレンジの標準化

ショートフォームのチャレンジ文化自体は、第5世代の発明ではありません。2020年、ジコの「아무노래(Any song)」チャレンジがすでにその扉を開いており、これは第4世代の出来事です(詳しくは第4世代の記事で扱っています)。第5世代で変わったのは、チャレンジの位置づけです。以前は曲発売後に偶然火がつくバイラルでしたが、今では振り付けの企画段階から「15〜30秒のポイント振り」を別途設計し、撮影・構図・目線の運びまであらかじめチャレンジ用に組み立てるのが標準工程になっています。つまりチャレンジは曲の副産物ではなく、曲の企画そのものの一部になったということです。ここにメンバー個人のSNS・Vlog運用がデビュー前から一般化したことも、第5世代の特徴として加わります。

まとめ — 第5世代が変えたこと

第5世代が「本当に新しい世代」なのかという議論は今も続いていますが、サバイバルの常態化、ファン参加型システム、バーチャルアイドルの大衆化という3つの変化ははっきりしています。第4世代が広げた舞台の上で、第5世代はその舞台を、より軽く、より参加型に、より技術的なものへと作り変えています。なお、2025年2月にデビューしたSMのHearts2Heartsのように、この記事の執筆時点でも新しい動きが続いています。

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