少女時代とは? ― 2007年デビューから「Gee」現象、日本席巻、そして相次ぐSM離脱を越えた19年

2007年8月5日、SMエンターテインメントが送り出した9人組ガールズグループが韓国歌謡界に登場した。少女時代(ソニョシデ=Girls’ Generation)だ。テヨン、ジェシカ、サニー、ティファニー、ヒョヨン、ユリ、スヨン、ユナ、ソヒョンという当時としては最多クラスの人数で構成されたこのグループは、その後《Gee》現象を巻き起こし、日本を含むアジア全域を席巻するトップガールズグループへと成長した。しかし19年に及ぶその歴史は、輝かしいヒット曲の裏で、メンバー脱退という大きな危機も経験している。

1. 2007年デビュー ― 9人組、そして初期の苦戦

少女時代は2007年8月5日、デビュー曲《다시 만난 세계(タシ・マンナン・セゲ=Into the New World)》でデビューした。当時韓国では既に人気だった元祖ガールズグループWonder Girlsとの比較にさらされ初期は苦戦を強いられたが、2008年1月発表の《Kissing You》が転機となり、徐々に人気を獲得していった。

2. 2009年「Gee」現象 ― 音楽番組9週連続1位

2009年1月に発表した《Gee》は、音楽番組で9週連続1位を記録するという前例のない大ヒットとなった。マネキンをモチーフにしたMVと中毒性の高いメロディーで、2009年を代表する曲として今なお語り継がれている。

3. 日本進出 ― 2010年からの快進撃

2010年9月、少女時代はシングル《GENIE》で正式に日本デビューを果たした。同年10月発表の日本版《Gee》は、日本人以外のアジア女性グループとして初めてオリコン週間シングルチャートで2位を記録し、第52回日本レコード大賞新人賞、日本ゴールドディスク大賞最優秀新人賞(ニューアーティスト・オブ・ザ・イヤー)を受賞した。2011年発表の《The Boys》は英語版も制作され、K-POPグループとして世界市場への本格進出を印象づけた。そして日本デビューからわずか4年後の2014年には、東京ドームでの単独公演を実現し、5万人を熱狂させた。

4. 2014年 ジェシカ脱退事件 ― グループを揺るがした衝撃

順風満帆に見えた少女時代だったが、2014年9月30日、SMエンターテインメントはメンバーのジェシカがグループを脱退すると発表した。事の経緯は複雑だ。ジェシカは中国での自身のファッションブランド事業に力を入れるようになっており、グループのスケジュールとの兼ね合いで所属会社や他メンバーとの間に摩擦が生じていたとされる。脱退発表の当日、ジェシカは中国のSNS「微博(Weibo)」に「今後の公式スケジュールを楽しみに準備していたのに、会社と8人のメンバーから、今日付で自分はもう少女時代のメンバーではないと通告された」「正当な理由もなくこのような通告を受け、非常に困惑している」と投稿し、事実上の「解雇」だったと主張した。これに対しSMエンターテインメントは、ジェシカ自身が同年春に個人的な事情を理由に脱退の意向を示していたと説明し、双方の言い分は真っ向から食い違った。突然の出来事にファンの間では一時ハッキングを疑う声も出たが、同日少女時代が中国でのファンミーティングのため出国した際、姿を見せたのはジェシカを除く8人だけだった。以降、少女時代は8人体制で活動を続けることになった。

この事件が少女時代にとってどれほど大きな打撃だったかは、その後の展開を見ればよく分かる。それまで「9人で一つ」を掲げ、メンバー間の仲の良さもグループの魅力として売りにしてきただけに、「8人がジェシカを追い出した」という構図はファンダムを真っ二つに割った。ジェシカを擁護するファンは残った8人やSMを激しく非難し、逆に8人を支持するファンはジェシカの個人事業優先を批判するという対立が長期化し、往年の「完全体」への信頼そのものが揺らいだ。さらにジェシカは2020年に自伝的小説『Shine』を、2022年にはその続編『Bright』を出版。続編では9人組ガールズグループの主人公レイチェルが、ファッション事業を並行したことをきっかけに一部メンバーの嫉妬を買い、最終的にグループから追い出されるという筋書きが描かれ、「明らかに少女時代を狙い撃ちにした内容ではないか」と再び論争を呼んだ。脱退から12年が経った2026年1月には、ジェシカが自身のコンサートで少女時代時代の曲をメドレーで熱唱したことが報じられ、「自分の青春の曲を歌う権利は当然ある」という擁護と「脱退の経緯を考えれば少女時代の名前を商業的に消費している」という批判が真っ向からぶつかった。つまりジェシカ脱退問題は、単なる一過性のメンバー交代ではなく、10年以上を経た今なお少女時代というブランドに影を落とし続ける、グループ史上最大の傷といえる。

各メンバーのソロ活動という強み

少女時代がグループとして長く生き残ってきた背景には、メンバーそれぞれが独立したキャリアを築けている点も大きい。テヨンはソロ歌手として《I》《Fine》などのヒット曲を連発し、グループの看板ボーカリストからソロアーティストとしての地位も確立した。ユナは2007年のドラマ『9回裏2アウト』で女優デビューして以降、2020年放送のJTBCドラマ『ハッシュ』でインターン記者役を演じて演技力の高い評価を得るなど、俳優としてのキャリアを着実に積み重ねている。2018年にはテヨン・サニー・ヒョヨン・ユリ・ユナの5人によるユニット「少女時代-Oh!GG」も結成され、グループ本体とは異なる大人っぽいコンセプトで新たな一面を見せた。メンバーそれぞれが個で稼げる存在になったことが、契約形態が分かれた今も「少女時代」というブランドを支え続ける原動力になっている。

5. 完全体としての再結集 ― 「FOREVER 1」と15周年

2017年10月、メンバーのうちティファニー・スヨン・ソヒョンの3人がSMとの再契約を見送り、事実上フリーの立場で活動を続けることを選んだ。グループとしての活動頻度は下がったが、2022年8月5日、デビュー15周年を記念して8人完全体でのフルアルバム《FOREVER 1》を発表。5年ぶりのカムバックとなったこの活動は、往年のファンにとって特別な意味を持つものとなった。

6. 現在の少女時代 ― 相次ぐSM離脱、そして19年目

2023年8月にはサニーがSMを離れ、2026年8月にはユリもまた19年在籍したSMとの契約を終了した。現在SMに残るのはテヨン・ユナ・ヒョヨンのみとなっている。一方でテヨンは2026年1月、SMとの再契約を発表し「19年間の同行」を続ける意思を示した。グループとしての完全体活動の頻度は減ったものの、メンバー各自がソロ・俳優・バラエティなど多方面で活躍を続けており、「解散」ではなく「それぞれの形での継続」を選んだグループとして、K-POP史にその名を刻み続けている。

まとめ

主な楽曲プレイリスト

デビューから今日まで、時代を彩ってきた代表曲の数々を映像で振り返る。

少女時代の19年は、《Gee》現象という熱狂の歴史であると同時に、メンバー脱退という危機を乗り越えてきた歴史でもある。9人から8人へ、そして所属事務所という枠を超えてそれぞれの道を歩む今も、彼女たちが築いた「完全体」というブランドの価値は色褪せていない。

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