韓国滞在中、ホテルや自宅から一歩も出ずに食事を楽しみたいときに欠かせないのが配達アプリ「배달의민족(ペダレ・ミンジョク、通称:배민=ペミン)」だ。日本のUber Eatsや出前館に近い存在だが、韓国国内シェアトップを誇るこのアプリは、これまで外国人にとって使いにくい部分も多かった。しかし2026年に入り、外国人向けの利便性が着実に改善されている。今回は最新事情を踏まえ、会員登録の壁から配達方式の違い、競合アプリとの比較まで踏み込んで解説する。
1. 배달의민족とは? ― 圧倒的な市場シェア
배달의민족は韓国最大級のフードデリバリーアプリで、2026年時点で月間アクティブユーザー2200万人以上、市場シェアはおよそ54〜60%と圧倒的な首位を誇る。チェーン店から個人経営の食堂まで幅広い飲食店の料理を自宅やホテルに届けてくれるほか、コンビニ商品や日用品を扱う「Bマート(Bmart)」機能も充実しており、深夜に飲み物やお菓子を注文することも可能だ。地方の中小都市までカバーする加盟店の多さが最大の強みといえる。
2. 会員登録の壁 ― 韓国の電話番号認証
外国人利用者が最初につまずきやすいのが会員登録だ。배달의민족の会員登録には韓国国内の電話番号によるSMS認証が基本的に必要で、海外の電話番号では認証が通らないケースが多い。短期旅行者の場合は、韓国のプリペイドSIMやeSIMを事前に用意して韓国の電話番号を取得しておくのが確実な方法だ。
3. 2026年最新 ― Apple Payで海外カード決済が解禁
これまで배달의민족のApple Pay決済は韓国国内発行のカードに限られており、訪韓中の外国人観光客にとっては大きな障壁だった。しかし2026年6月2日以降、Visa・Mastercard・JCB・American Expressなど海外発行カードでのApple Pay決済に対応。これにより、韓国の電話番号やクレジットカードを持たない旅行者でも、Apple Payさえあれば決済のハードルがぐっと下がった。
4. 配達方式の違い ― 알뜰배달 と 한집배달
배달의민족で注文する際、多くの店舗で「알뜰배달(アルトゥル配達=お得配達)」と「한집배달(ハンチプ配達=一軒だけ配達)」の2種類から選べる。알뜰배달は配達員が同じ方向にある他の注文もまとめて配達するため配達料が安い一方、複数件を経由するぶん到着が遅くなることがある。한집배달は自分の注文だけを直行で届けてもらえるため速く、麺類や揚げ物など伸びやすい・冷めやすい料理を頼むときに向いている。2026年4月からは배민클럽(会員プログラム)未加入者に対し、알뜰배달で500ウォン、한집배달で1500ウォンの配達チップが課される仕組みが導入され、同年6月からは店と自宅の距離に応じた段階的な料金設定に変更された。1km前後の近距離や、麺類・揚げ物を頼むときは、多少高くても한집배달を選ぶのが無難だ。
5. Bマートの活用法
Bマートはコンビニ感覚で飲料・お菓子・日用品・アイスクリームなどを注文できるサービスで、最小注文金額は1万5000ウォン、配達チップは3000ウォンが基本だが、4万ウォン以上の注文で配達チップが無料になる仕組みだ。深夜にホテルでちょっとした買い出しをしたいときや、まとめ買いをしたいときに便利だが、少額の注文だと手数料が割高になる点は覚えておきたい。
6. 競合アプリとの比較 ― 쿠팡이츠・요기요
2026年の韓国配達アプリ市場は、배달의민족と쿠팡이츠(クーパンイーツ)の実質2強体制に再編されつつある。쿠팡이츠は単件配達(1件のみを直行で届ける方式)を前面に打ち出し、平均配達時間の短さを武器にソウル江南3区など主要商圏では배민のシェアを逆転する地域も出てきている。요기요(ヨギヨ)はシェア10〜13%程度で3位に後退したが、独自のクーポンやキャンペーンを展開している。地方や中小都市まで幅広くカバーしたいなら배달의민족、都市部でスピード重視なら쿠팡이츠、というように使い分ける利用者も多い。
7. 多言語対応も進化中
배달의민족は近年、大規模言語モデル(LLM)を活用した生成AI技術を導入し、英語・中国語・日本語でのサービス対応を強化している。メニューの自動翻訳やレビューの多言語表示など、韓国語が読めなくても注文しやすい環境が整いつつある。
まとめ
電話番号認証という壁は依然として残るものの、Apple Payでの海外カード対応や多言語化が進み、배달의민족は以前より外国人にとって使いやすいアプリになりつつある。配達方式や競合アプリの特徴を理解した上で、料理の種類や滞在スタイルに合わせて賢く使い分ければ、ホテルの一室から韓国のグルメを楽しむ選択肢がぐっと広がるはずだ。

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