日本でTWICEは「日本人メンバーが3人いるグループ」として最初に知られた。サナ、モモ、ミナ。だが韓国側から見るTWICE(트와이스)の物語は少し違う。サバイバル番組で選ばれた9人、「TT」のポーズを国中が真似した2016年、韓国の女性グループとして初めて東京ドームに立った日、そして日本人メンバーの存在が韓国社会で問題になった瞬間。この記事では、韓国で最も愛され、同時に最も「日本との関係」を背負わされた女性グループを、韓国の空気とともに整理する。
1. 2015年、「SIXTEEN」 ─ テレビの前で選ばれた9人
TWICEはJYPエンターテインメントがMnetのサバイバル番組「SIXTEEN」で結成したグループだ。16人の練習生を放送で競わせ、視聴者の目の前で9人を選んだ。この方式は当時の韓国では新しく、脱落者にも人気が出る現象が起きた。最終回でパク・ジニョン(박진영)が追加合格として発表したのがツウィ(쯔위)とモモ(모모)で、この「番狂わせ」は今もファンの間で語られる。2015年10月、デビュー曲「OOH-AHH하게(Like OOH-AHH)」でスタートした。
2. 2016年、「CHEER UP」と「TT」 ─ 韓国を席巻した年
2016年4月の「CHEER UP」で、TWICEは一気に韓国の国民的グループになった。「샤샤샤(シャシャシャ)」というサナのパートは国中で真似され、韓国の政治家までが演説で使った。同年10月の「TT」は、両手で涙のTの字を作るポーズが幼稚園から会社員までに広がり、ハロウィンの仮装の定番になった。韓国で「TWICE以前と以後」と言われるほど、2016年の女性アイドルの空気を変えた年だった。
この年、韓国の男性ファンの間で「サナ派」「ツウィ派」「ナヨン派」という言葉が流行した。少女時代以来の「国民的ガールズグループ」の座をTWICEが取ったと、韓国メディアは書いた。
3. 2016年1月、ツウィ「国旗事件」 ─ アイドルが国際問題になった日
デビュー直後の2016年1月、台湾出身のツウィがテレビ番組で台湾の旗を持った映像が中国で問題になり、JYPはツウィに謝罪動画を撮らせた。黒い背景で台本を読む16歳の姿は韓国でも台湾でも批判を呼び、台湾の総統選挙の投票率にまで影響したと言われた。韓国ではこの事件を機に、「中国市場のためにどこまで謝るのか」という議論が始まった。TWICEはデビューから数か月で、アイドルが政治から逃れられない現実を体験したグループになった。
4. 2017〜2018年、日本デビュー ─ 韓国が見た「TWICEの日本」
2017年6月、TWICEは日本で正式デビューした。日本人メンバーが3人いることは韓国では「日本進出のために最初から設計された」と語られ、実際にその通りに機能した。2017年末の紅白歌合戦出場、2019年の東京ドーム公演。韓国の女性グループとして初めてドームに立った。韓国のニュースは「少女時代とKARAが開いた道をTWICEが完成させた」と伝えた。
ただし韓国では、日本人メンバーの存在は常に微妙な問題だった。2019年に日韓関係が悪化した時期には、「日本人メンバーがいるグループを応援していいのか」という書き込みが韓国のネットに出た。サナがSNSで日本の元号の話題に触れただけで、韓国で批判が起きたこともある。TWICEはこの緊張の中で、日本にも韓国にも謝らず、ただ活動を続けた。
5. 2018〜2019年、「Dance The Night Away」から「FANCY」へ ─ 成熟
2018年の「Dance The Night Away」と「YES or YES」で、TWICEは「かわいい」から少しずつ変わり始めた。2019年の「FANCY」は明確な転換点で、韓国では「TWICEが大人になった」と評価された。同年の「Feel Special」はメンバーのミナ(미나)が不安障害で活動を休止した時期の曲で、「誰かにとって特別な存在だ」という歌詞は、韓国でも日本でも、メンバー自身の状況と重ねて聴かれた。
6. 2020年〜、「I CAN’T STOP ME」「Alcohol-Free」「The Feels」 ─ 世界へ
コロナ禍の2020年、「I CAN’T STOP ME」でTWICEは初めてビルボード200の上位に入り、2021年の英語曲「The Feels」はHot 100に入った。2022年以降のワールドツアーではアメリカのスタジアムを埋め、韓国では「BLACKPINKと並ぶ女性グループの世界的成功例」として語られる。
7. 2022年、9人全員の再契約 ─ 韓国で驚かれた理由
韓国のアイドルは通常、デビューから7年で専属契約が切れる。「7年目のジンクス」と呼ばれ、多くのグループがこの時点で解散や脱退を経験する。TWICEは2022年、9人全員がJYPと再契約した。しかも日本人メンバー3人も含めて、だ。韓国では「これは珍しい」と受け止められた。日本人メンバーは日本に帰って活動する選択肢もあったからだ。2023年の「SET ME FREE」、2024年の「ONE SPARK」、そして2025年の「Strategy」「THIS IS FOR」と、10年目を超えて活動を続けている。
8. 韓国でTWICEが特別な理由 ─ 「日本」を背負ったグループ
韓国から見ると、TWICEは常に「日本」という要素を背負ったグループだった。日本人メンバーが3人いること、日本で最も成功したこと、日韓関係が悪化するたびに名前が出ること。それでもTWICEは韓国で嫌われなかった。理由は単純で、9人が仲が良く、誰も日本と韓国のどちらかを選ばなかったからだ。サナ、モモ、ミナが韓国語で話し、ナヨン、ジヒョが日本語で話す。韓国の視聴者はそれを見て、政治とは別の場所にTWICEを置いた。
9. 日本の読者へ
日本でTWICEを応援している人に、韓国で知られていることを一つ伝えたい。韓国のファンは「日本人メンバーがいる」ことをTWICEの弱点ではなく特徴として受け入れている。日韓の間で最も難しい時期に、両方の国で愛され続けた女性グループは、TWICE以外にない。2015年にテレビの前で選ばれた9人は、10年後、両国の間に立つ存在になった。
まとめ
サバイバル番組で選ばれ、「TT」で韓国を席巻し、ツウィの国旗事件で政治を知り、日本で東京ドームに立ち、日韓関係の悪化を乗り越えて9人全員が再契約した。TWICEの10年は、K-POPが日本と韓国の間でどう生き延びるかの実験でもあった。そして今のところ、その実験は成功している。

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