韓国のゴミの捨て方完全ガイド ― 従量制ゴミ袋・生ゴミ分別・「夜、家の前に出す」ルール

済州島の分別ゴミ集積所

韓国で1か月の短期滞在や留学を始めた日本人が、最初の一週間で必ずぶつかる壁がある。ゴミである。

日本も分別に厳しい国だが、韓国はルールの「軸」が違う。日本が「燃えるゴミ/燃えないゴミ」で分けるのに対し、韓国は「一般ゴミ/生ゴミ/リサイクル」で分ける。そして一般ゴミは、好きな袋に入れて出すことができない。

1. 従量制ゴミ袋(종량제 봉투)― 袋の値段がそのまま処理費用

韓国では1995年1月1日から、全国で「ゴミ従量制(쓰레기 종량제)」が実施されている。捨てる量に応じてお金を払う仕組みで、処理手数料が袋の値段に含まれている。

一般ゴミは必ず、住んでいる自治体(区)の従量制ゴミ袋(종량제 봉투/チョンニャンジェ・ボントゥ)に入れて出す。日本でいう有料の指定ゴミ袋である。ソウルの場合、家庭用の一般ゴミ袋は10リットルが250ウォン、20リットルが490ウォン(鍾路区〈종로구/チョンノグ〉・広津区〈광진구/クァンジング〉などが定めた価格)。白い半透明の袋が多い。

袋はコンビニやスーパー、大型スーパー(マート)で買える。棚に並んでいないことが多いので、レジでこう言えばよい。

「종량제 봉투 10리터 하나 주세요(従量制ゴミ袋の10リットルを一つください)」

大型スーパーでは、買った物を入れて持ち帰り、そのままゴミ袋として使える「再使用従量制ゴミ袋(재사용 종량제 봉투)」も売っている。レジ袋の代わりにこれを買う人が多い。

注意したいのは、袋が自治体ごとに違うという点である。引っ越すと、原則として前に住んでいた自治体の袋は使えない。ただし転入届の際に住民センター(주민센터/日本の役所の出張所にあたる)で確認用のシールをもらって貼れば使える地域が多い。

2. 生ゴミ(음식물 쓰레기)は別 ― 日本人が一番迷うところ

韓国では生ゴミを一般ゴミとは別に出す。回収された生ゴミは、飼料・堆肥・バイオガスとして再利用される。

出し方は住んでいる場所によって三通りある。

  • 専用袋:生ゴミ専用の従量制ゴミ袋に入れて出す。色は区によって違う(広津区は紫、江東区〈강동구/カンドング〉・中区〈중구/チュング〉は黄色)。一戸建てやヴィラ(빌라/低層の小規模集合住宅。日本のアパートに近い)に多い。
  • RFID計量機:マンション(아파트/韓国語では「アパート」と呼ぶが、日本の大規模分譲マンションにあたる)に多い。カードをかざすと蓋が開き、捨てた重さの分だけ料金がかかる。
  • 手数料の納付券(チップまたはシール):購入して専用容器に付けて出す。

そして最大の落とし穴が、「食べ物なのに生ゴミではないもの」である。ソウル市の基準では、次のものは一般ゴミになる。

  • 牛・豚・鶏の骨、魚の骨
  • 貝殻(アサリ、カキ、アワビ、サザエなど)、カニやエビの殻
  • 卵の殻
  • 玉ねぎ・にんにく・生姜・とうもろこしの皮、ネギの根
  • クルミ・栗・ピーナッツの殻、桃や柿の種
  • ティーバッグ、お茶がら、韓方薬(漢方薬)の煎じかす

覚え方は「動物が食べられるかどうか」。飼料として再利用されるので、硬くて動物が食べられないものは生ゴミではない。チキンを頼んで食べたあと、骨を生ゴミに入れるのは間違いである。

水気はできるだけ切ってから出す。なお、一人暮らしの人の中には、においを避けるため生ゴミを冷凍庫で凍らせておく人もいるが、冷凍庫の棚から基準値の数十倍の細菌が検出されたという報道もあり、おすすめはできない。

3. リサイクル ― 「空にする・すすぐ・分ける・混ぜない」

品目は、紙、ガラス瓶、缶、プラスチック、ビニール、発泡スチロール。原則は四つ、「空にする(비운다)・すすぐ(헹군다)・分ける(분리한다)・混ぜない(섞지 않는다)」である。

  • 透明ペットボトルは別にする。マンションは2020年12月、一戸建ては2021年12月から義務になった。中身を空にし、ラベルをはがし、つぶして、キャップを閉めて出す。
  • 日本と違うのは「ビニール(비닐)」という独立した分類があること。お菓子の袋やラーメンの袋などはここに入る。
  • リサイクル品は従量制ゴミ袋ではなく、透明な袋に入れるか、そのままゴミ置き場(分別収集場)に出す。

4. いつ、どこに出すか ― マンションとヴィラではまったく違う

マンションの場合、敷地内に分別収集場がある。曜日や時間はマンションごとに違うので、管理事務所に聞くのが一番早い。

一戸建て・ヴィラ・ワンルームの場合は、決められた曜日の夕方から夜に、自分の家の前に出す。日本のように「朝8時までに集積所へ」ではない。

  • 例)ソウル麻浦区(마포구/マポグ):一般ゴミと生ゴミは日曜〜木曜、時間は19時〜24時(11月〜3月は18時から)。透明ペットボトルとビニールは水曜日だけ。
  • 例)ソウル中区:住宅地は19時〜24時。地域によって土曜または日曜は出せない。

曜日は区によって違う。部屋を借りるとき、大家さんや不動産屋に必ずこう聞いておきたい。

「쓰레기는 무슨 요일에 어디에 내놓아요?(ゴミは何曜日にどこに出しますか)」

5. 間違えると過料

ルールを守らないと、過料(과태료/行政上の罰金にあたるもの)を取られる。

  • 分別違反(混ぜて出す、時間・場所を守らない):1回目10万ウォン、2回目20万ウォン、3回目以降30万ウォン。
  • ポイ捨て:たばこの吸い殻やティッシュは5万ウォン、レジ袋などにゴミをまとめて捨てた場合は20万ウォン。

実際、チキンの箱に割り箸とレシートを入れたまま捨てて10万ウォンを払った外国人の事例が報じられたことがある(2019年、ヘラルド経済〈헤럴드경제〉)。

一方で、2025年の秋に広まった「ラーメンの袋を従量制ゴミ袋に入れると過料100万ウォン」という話はフェイクニュースで、政府が公式に否定している。怖がる必要はない。基本さえ守ればよい。

6. 大きな物、電池、古着

  • 家具・家電などの粗大ゴミ(대형 폐기물):区役所のサイトか住民センターで申し込み、手数料を払い、受付済みのシールを貼って出す。そのまま出すと不法投棄になる。
  • 乾電池・蛍光灯:住民センターやマンションの専用回収箱へ。
  • 古着:街角の衣類回収箱(의류수거함)へ。服・靴・かばんは入れてよいが、綿布団や枕は入れられない。

7. 街にゴミ箱がない理由

韓国を旅行した人は、「韓国は街にゴミ箱がない」とよく言う。

理由は従量制である。1995年に従量制が始まると、袋代を節約しようと家庭ゴミを街のゴミ箱に捨てる人が増えた。そのためソウル市はゴミ箱を減らしていった(1995年7,607個→2007年3,707個)。

最近は再び増やす方向に転じている。地下鉄の出口やバス停、観光地を中心に、2025年末までに約7,000個へ増やす計画が進められてきた。

旅行中は、コンビニで買ったものはそのコンビニで、テイクアウトのカップはカフェで捨て、残りは宿に持ち帰るのが無難である。

8. 2026年から変わったこと

2026年1月1日から、首都圏(ソウル・仁川〈인천〉・京畿道〈경기도〉)では家庭ゴミをそのまま埋め立てることが禁止された。焼却やリサイクルをしたあとの残りだけが埋め立てられる。処理費用は上がると見込まれており、分別の重要性はさらに高まっている。

日本の読者へ

まとめると、こうなる。

  • 一般ゴミは、その自治体の従量制ゴミ袋に入れる。
  • 生ゴミは別。ただし骨と殻は一般ゴミ。
  • リサイクルはすすいでから。透明ペットボトルはラベルをはがして別に出す。
  • ヴィラは、夜に家の前へ。

日本の分別に慣れている人なら、ルールの「軸」を切り替えるだけですぐに慣れるはずである。

※アイキャッチ画像:Community waste disposal station jeju.jpg by Sgroey(Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)

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