K-POP第2世代ガールズグループ列伝 ― SISTAR、miss A、4Minute、AFTERSCHOOL、T-ARA。少女時代・KARA・2NE1・Wonder Girls以外の「あの頃」

SISTARの4人(KCON 2015)

K-POP第2世代のガールズグループといえば、少女時代(소녀시대)、KARA(카라)、2NE1(투애니원)、Wonder Girls(원더걸스)の名前がまず挙がる。この4組については、このブログでもそれぞれ記事を書いてきた。だが、韓国で2009年から2012年ごろにテレビをつけていた人なら、ほかにも忘れられないグループがいくつもあるはずだ。今回はそのうちの5組を取り上げ、韓国でどんな顔を持っていたのか、どの曲が売れたのか、メンバーはその後どうしているのかをたどってみる。

1. 「ガールズグループ旋風」の時代

2009年の年末、韓国の世界日報(세계일보)は、その年の歌謡界最大のキーワードを「ガールズグループ旋風(걸그룹 열풍)」とまとめた。2008年はWonder Girlsと少女時代が人気を二分していたが、2009年には数えきれないほどのガールズグループがテレビに出るようになった、という内容である。

この時代の曲を語るときに欠かせないのが「フックソング(후크송)」だ。短いフレーズを何度もくり返して耳に残す曲のことで、週刊京郷(주간경향)は2009年、フックソングが短い期間に「洪水のように」あふれ出たと書いた。ここから紹介する5組が活躍したのも、まさにこの時期である。

2. SISTAR ― 夏が来るたびに聴かれた4人

SISTAR(씨스타)は、スターシップエンターテインメント(스타쉽엔터테인먼트)が2010年に送り出した4人組である。メンバーはヒョリン(효린)、ボラ(보라)、ソユ(소유)、ダソム(다솜)。2010年のデビュー曲「Push Push(푸시푸시)」に続き、同じ年の夏には「Shady Girl(가식걸)」を出した。

ブレイクは翌2011年、1枚目のフルアルバムのタイトル曲「So Cool」である。韓国メディアは、この曲が「サマークイーン(썸머퀸)」という呼び名の始まりになったと書いている。

2012年の「Alone(나혼자)」もヒットし、SISTARには「信じて聴く(믿고 듣는)」という言葉がつくようになる。同じ年の夏には「Loving U(러빙유)」を出した。

その後も2014年の「Touch my body」、2015年の「SHAKE IT」と、夏向きのダンス曲を次々にヒットさせた。「SHAKE IT」は発売から5日目も音源チャート1位を守っていると報じられた。

2017年5月23日、スターシップは話し合いの末に解散を決めたと発表した。5月31日に出た最後のシングル「LONELY」は、Melonをはじめ七つの音源チャートで1位を獲っている。

解散後、ヒョリンは自分の事務所を立ち上げてソロ歌手になり、ソユもソロで活動を続けた。ボラとダソムは俳優の道へ進んでいる。2022年7月には、KBS2『ユ・ヒヨルのスケッチブック(유희열의 스케치북)』の600回特集で、解散から5年ぶりに4人がそろってステージに立った。

2024年1月には、ヒョリンとボラのユニットSISTAR19(씨스타19)が11年ぶりに新曲「NO MORE(MA BOY)」を出した。ただし、4人そろっての再結成は、2026年10月の時点で発表されていない。

3. miss A ― 「国民の初恋」を生んだ多国籍グループ

miss A(미쓰에이)は、JYPエンターテインメントが2010年にデビューさせた4人組だ。中国出身のフェイ(페이)とジア(지아)、韓国出身のスジ(수지)とミン(민)という構成だった。

2010年7月1日にデビューすると、わずか21日後の7月22日、デビュー曲「Bad Girl Good Girl」がMnet『M COUNTDOWN(엠카운트다운)』で1位を獲った。韓国メディアは、もっとも速く頂点に立ったガールズグループとしてmiss Aを紹介している。

同じ年の秋に「Breathe」、2011年に「Good-bye Baby」と、ヒットを重ねた。

グループの名前を一般の人にまで広げたのは、スジの演技である。2012年の映画『建築学概論(건축학개론)』で主人公の大学時代の初恋の相手を演じ、「国民の初恋(국민 첫사랑)」と呼ばれるようになった。その後もドラマや映画で主演を重ね、俳優としての道を歩んでいる。

2016年5月にジアがJYPとの契約を終え、2017年4月にはミンの契約も満了した。そして2017年12月27日、JYPはmiss Aの解散を公式に発表した。ミンは2025年6月に一般の人と結婚している。

4. 4Minute ― 女性があこがれる「強いお姉さん」

4Minute(포미닛)は、キューブエンターテインメント(큐브엔터테인먼트)初のガールズグループとして2009年6月にデビューした。メンバーはヒョナ(현아)、チョン・ジユン(전지윤)、ナム・ジヒョン(남지현)、ホ・ガユン(허가윤)、クォン・ソヒョン(권소현)の5人。韓国メディアのテンアジア(텐아시아)は、デビュー曲「Hot Issue(핫이슈)」が、女性たちの「あこがれの的(워너비)」というグループのカラーをすぐに印象づけたと評している。恋の歌が多いほかのグループとは違い、「かっこいいお姉さん」の路線で立ち位置を築いた、という見方だ。

同じ2009年の8月には「Muzik」を出した。

その後も2011年の「Mirror Mirror(거울아 거울아)」、2012年の「Volume Up」、2013年の「What’s Your Name?(이름이 뭐예요?)」と代表曲が続く。

2015年の「Crazy(미쳐)」のときには、スポーツ京郷(스포츠경향)が「強いお姉さんたちの帰還(센 언니들의 귀환)」という見出しをつけた。

2016年6月、キューブはヒョナだけが再契約を済ませたと明らかにし、ほかの4人は6月14日で専属契約が終わった。グループはここで幕を下ろす。ヒョナのその後については、このブログのヒョナの記事に詳しく書いた。

ほかの4人のうち、ナム・ジヒョンはドラマ『100日の郎君様(백일의 낭군님)』などに出る俳優になった。クォン・ソヒョンは子役出身で、解散後も俳優として活動している。ホ・ガユンはアイドル活動のあとに心身の不調に悩み、バリ島に移り住んだことをテレビ番組で語った。チョン・ジユンはバンドで音楽を続けていると近況を伝えている。

5. AFTERSCHOOL ― 入学と卒業があるグループ

AFTERSCHOOL(애프터스쿨)は、プレディスエンターテインメント(플레디스엔터테인먼트)が2009年1月にデビューさせたグループで、最初のリーダーはカヒ(가희)だった。最大の特徴は、メンバーが入れ替わる仕組みを学校にたとえ、新メンバーの加入を「入学」、脱退を「卒業」と呼んだことである。2009年のうちにユイ(유이)が2期として入学し、2010年3月にはリジ(리지)が加わった。カヒは2011年に卒業している。

上は2009年末から活動した「Because of You(너 때문에)」。2010年3月の「Bang!(뱅!)」では、マーチングバンドをテーマに、メンバー自身がドラムをたたくパフォーマンスを見せた。

2013年の「First Love(첫사랑)」では、ポールダンスを振り付けの中心にすえた。メンバーは6か月かけて準備したと話している。

レイナ(레이나)、ナナ(나나)、リジの3人によるユニット、ORANGE CARAMEL(오렌지캬라멜)も人気を集めた。2010年のデビュー曲「Magic Girl(마법소녀)」のときは、3人とも最初は「絶対にやりたくない」と思ったという。2014年の「Catallena(까탈레나)」では、ミュージックビデオで3人がすしに変身している。

グループとしての新曲は、2014年のデジタルシングル「一週間(일주일)」が最後である。2017年5月にユイが、2018年4月にリジが卒業した。ナナはドラマ『グッドワイフ(굿 와이프)』などで俳優としての評価を高め、2019年にもプレディスと再契約している。ただ、グループの解散は公式には発表されていない。2021年6月には、SBSのウェブ番組『文明特急(문명특급)』の企画で、カヒ、ジョンア(정아)、ベカ(베카)、レイナ、イ・ジュヨン(이주연)が約10年ぶりに集まり、「Bang!」を披露した。この映像は1日で300万回を超えて再生された。

6. T-ARA ― 韓国のヒットメーカー、日本でもオリコン1位

T-ARA(티아라)は、コアコンテンツメディア(코어콘텐츠미디어)のグループとして2009年7月に「Lies(거짓말)」でデビューした。同じ年の11月に出た「Bo Peep Bo Peep(보핍보핍)」は、2009年末から翌年の初めにかけて、中毒性の強いフックソングとして一気に広まった。メンバーのウンジョン(은정)は、この曲で地上波の音楽番組の1位を獲ったときを、忘れられない瞬間に挙げている。

T-ARAの名前を韓国中に広げたのは、2011年6月の「Roly-Poly(롤리폴리)」だ。レトロな雰囲気のメロディーとまねしやすい振り付けで、ガオンチャート(가온차트)の2011年1〜11月の集計では、ダウンロードやストリーミングなどを合わせた総合1位になった。同じ年の暮れには「Cry Cry」、2012年7月には「Day by Day」を出している。

日本では2011年9月28日、「Bo Peep Bo Peep」の日本語版でデビューした。オリコンの週間シングルチャートで1位になり、所属事務所によれば、海外のグループがデビューシングルで週間1位を獲ったのは初めてだった。

2012年7月30日、事務所はメンバーのファヨン(화영)との契約を解除すると発表した。ネット上ではグループ内のいじめ疑惑が広がっていたが、事務所はこれを事実ではないと否定している。

その後メンバーの入れ替わりがあり、2017年にはキュリ(큐리)、ウンジョン、ヒョミン(효민)、ジヨン(지연)の4人で活動した。この4人は2021年11月15日、約4年ぶりの新作『Re:T-ARA』で再び集まった。タイトル曲は「TIKI TAKA(티키타카)」である。

2024年10月にはデビュー15周年を記念して、同じ4人がマカオでファンミーティングを開いた。

7. 「7年目のジンクス」と、その後

2016年から2017年にかけて、4Minute、SISTAR、miss Aが相次いで解散した。当時の韓国メディアは、デビュー7年目前後で契約が切れ、グループが終わってしまう現象を「アイドル7年目のジンクス(7년차 아이돌 징크스)」と呼んだ。

ただ、グループが終わっても、メンバーの人生は続いている。俳優として名を上げた人、ソロ歌手になった人、海外に移り住んだ人。そして何年かたってから、テレビやファンミーティングでもう一度そろうグループもある。

日本の読者へ

少女時代やKARAで第2世代を知った人も、この5組の曲を一つずつ聴いてみてほしい。同じ時代でも、夏の女王、多国籍グループ、強いお姉さん、学校、レトロと、それぞれまったく違う看板を掲げていたことが分かるはずだ。

まず聴くなら、次の5曲である。

  • SISTAR「So Cool」
  • miss A「Bad Girl Good Girl」
  • 4Minute「Hot Issue」
  • AFTERSCHOOL「Bang!」
  • T-ARA「Roly-Poly」

T-ARAの日本デビュー曲を覚えている人なら、韓国語版の「Bo Peep Bo Peep」と聴き比べてみるのもおもしろい。

※アイキャッチ画像:KCON 2015 Sistar 2.jpg by mduangdara(Wikimedia Commons、CC BY-SA 2.0)

コメントをどうぞ