韓国で薬はどこで買う?薬局・コンビニの常備薬・病院の使い方まとめ【ソウル在住】

韓国旅行中に急に頭が痛くなったり、お腹をこわしたりしたとき、日本の感覚で「ドラッグストアに行けばいいだろう」とオリーブヤング(올리브영)に入って戸惑う方が多いです。結論から言うと、韓国で薬は原則として「薬局(약국)」でしか買えません。コンビニで買えるのは決められた13品目だけで、しかも条件がつきます。そのうえ薬局は夕方になるとかなりの数が閉まってしまいます。どこで買うのか、そして行って何と言えばいいのかまでまとめました。

オリーブヤングはドラッグストアでも「薬」は売っていない

日本のマツモトキヨシやスギ薬局では、風邪薬も鎮痛剤も棚から自由に選べます。登録販売者という資格の制度があるので、第2類・第3類医薬品なら薬剤師がいなくても販売できるからです。

韓国にはこの制度がありません。薬事法(약사법)上、薬局開設者である薬剤師でなければ医薬品を販売できないため、オリーブヤングのようなヘルス&ビューティーストアは化粧品・健康機能食品・美容小物しか扱っていません。店内に絆創膏や湿布らしきものがあっても、風邪薬や解熱鎮痛剤そのものは置いていないのです。オリーブヤング自体の歩き方についてはオリーブヤング完全攻略!日本人旅行者が本当に知りたいことにまとめていますので、あわせてどうぞ。

ですから韓国で薬が必要になったら、探すべき看板は緑の十字の下に「약국(ヤックク/薬局)」と書かれたお店です。ローマ字でPharmacyと併記されているところも多いので、慣れれば遠くからでも見つけられます。

化粧品店の陳列棚
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コンビニで買える薬は「安全常備医薬品」13品目だけ

韓国にもコンビニで薬を売る制度はあります。「안전상비의약품 약국외 판매제도(安全常備医薬品の薬局外販売制度)」といい、解熱鎮痛剤・風邪薬・消化剤・湿布の4種類、合計13品目が指定されています。タイレノール錠500mg、パンコールエー内服液(판콜에이)、フェスタルプラス錠(훼스탈플러스)といった名前がここに入ります。なお指定品目のうち子ども用タイレノール2種は生産が終了していて、実際には手に入りません。

ただし条件があります。販売できるのは、24時間年中無休で営業していて販売者登録を済ませた店舗だけです。日中しか開いていないコンビニや、登録していない店舗には薬がありません。さらに1回に売れるのは1日分まで、そして満12歳未満の子どもには販売できないと決まっています。旅行中だからと数日分をまとめ買いしておく、ということはできないわけです。韓国のコンビニ全体の違いについては韓国のコンビニ、日本と似ているようで違うことでも触れています。

ちなみにこの制度は品目数を増やす方向で議論が進んでいるという報道があります。ただし施行時期も内容も変わる可能性がありますので、訪問される時点の最新情報を確認されるのが確実です。

コンビニの冷蔵ケース
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薬局は思ったより早く閉まる — 夜間・休日に開いている店の探し方

韓国の個人薬局は平日の日中を中心に営業しているところが多く、夕方以降や日曜・祝日は閉まっている店が少なくありません。そのため「夜間・休日に開いている薬局」を専門に探すサービスが用意されています。

  • 휴일지킴이약국(ヒュイルチキミヤックク/休日守り薬局・大韓薬師会運営、pharm114.or.kr):日曜・法定休日・旧正月やお盆、そして夕方6時以降に営業中の薬局を、地域・日付・時間で検索できます。
  • 공공심야약국(コンゴンシミャヤックク/公共深夜薬局):自治体が指定して深夜帯に営業する薬局です。ソウル市の場合は25の自治区で運営されており、営業時間は夜10時から翌1時までです。指定薬局も時間も自治体の事情で変わることがあります。
  • E-Gen(応急医療ポータル):保健福祉部系が運営するアプリ・サイトで、現在地を基準に開いている薬局と救急室をまとめて確認できます。

ただしこれらのサービスは基本的に韓国語の画面です。地域名をハングルで入力する必要がある場合もありますので、地図アプリと併用しながら住所を確かめるやり方が現実的だと思います。

夜のソウルの繁華街
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薬局で通じる韓国語 —「아프다」ひとつで半分は解決する

薬局に入ってまず言われるのは、たいてい「어떻게 오셨어요?(オットケ オショッソヨ)」です。直訳すると「どうやって来られましたか」ですが、実際には「どこが悪いですか」という意味です。ここで症状さえ言えれば、あとは薬剤師が選んでくれます。

このとき使う単語が「아프다(アプダ)」ひとつです。標準国語大辞典は아프다を「けがや病気によって痛みやつらさを感じること」と説明しています。つまり日本語の「痛い」のように特定の部位の痛みだけを指すのではなく、「具合が悪い」にあたる体調全般までカバーします。ですから「어제 아파서 못 갔어요」は「昨日は具合が悪くて行けませんでした」という意味になります。「痛い」とだけ覚えていると、この文が読めません。

使い方は簡単で、部位に「-이/가 아파요(〜が痛いです)」をつけるだけです。

  • 머리가 아파요(モリガ アパヨ/頭が痛いです)
  • 배가 아파요(ペガ アパヨ/お腹が痛いです)
  • 이가 아파요(イガ アパヨ/歯が痛いです)
  • 목이 아파요(モギ アパヨ)— 韓国語の목は「のど」と「首」の両方を指します。薬局でこの言葉は、ふつう のどのほうを意味します。

痛みではないタイプの症状は、「-이/가 나요(〜が出ます)」のほうが自然です。

  • 열이 나요(ヨリ ナヨ/熱があります)
  • 기침이 나요(キチミ ナヨ/咳が出ます)
  • 콧물이 나요(コンムリ ナヨ/鼻水が出ます)
  • 설사를 해요(ソルサルル ヘヨ/下痢をしています)
  • 토할 것 같아요(トハル コッ カタヨ/吐きそうです)

ここに、韓国ならではの表現がひとつあります。「체했어요(チェヘッソヨ)」、やわらかく言うなら「속이 안 좋아요(ソギ アン ジョアヨ)」です。食べたものが下りずに、みぞおちが詰まったような状態をまとめて指す生活表現で、国語辞典は체하다を「食べたものがこなれず、胃の中に重く残っている」と説明しています。医学的な診断名にぴったり対応する言葉がないため訳しにくいのですが、薬局でこの一言を言えば消化剤の系統にすぐ案内してもらえます。

薬を指定してほしいときは「〜 주세요(〜ください)」、あるかどうか尋ねるときは「〜 있어요?(〜ありますか)」です。

  • 감기약 주세요(カムギヤク チュセヨ/風邪薬ください)
  • 소화제 주세요(ソファジェ チュセヨ/消化剤ください)
  • 진통제 있어요?(チントンジェ イッソヨ/鎮痛剤ありますか)
  • 해열제 있어요?(ヘヨルチェ イッソヨ/解熱剤ありますか)
  • 파스 주세요(パス チュセヨ/湿布ください)

薬剤師が聞き返してくる言葉も、だいたい決まっています。「언제부터 그러셨어요?(オンジェブト クロショッソヨ/いつからですか)」「알레르기 있으세요?(アルレルギ イッスセヨ/アレルギーはありますか)」「드시는 약 있으세요?(トゥシヌン ヤク イッスセヨ/飲んでいる薬はありますか)」あたりです。最後に聞くことになる飲み方は、たいてい「하루 세 번, 식후 삼십 분에 드세요(1日3回、食後30分に飲んでください)」という形で言われます。식후(シクフ)は食後、식전(シクチョン)は食前です。

ちなみにコンビニでは「상비약 있어요?(サンビヤク イッソヨ/常備薬ありますか)」と聞けば通じます。さきほどの安全常備医薬品を指す言い方です。

薬剤師が薬の瓶を持つ手元
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病院に行くとき — 診療費、保険の書類、そして1330

症状が重かったり処方薬が必要だったりすれば、病院に行くことになります。ここで知っておきたいのは、韓国の国民健康保険に加入していない短期旅行者は「非保険(一般)」扱いになり、診療費を全額自己負担するという点です。軽い外来診療なら負担はそこまで大きくないこともありますが、検査や入院につながると金額は大きく上がります。短い日程でも海外旅行保険に入っておくほうが安全です。

大きな病院には、外国人患者向けの国際診療センターを置いて、予約・診療・会計・通訳をまとめてサポートしてくれるところがあります。ソウル大学病院、セブランス病院、ソウルアサン病院などが代表的で、セブランス病院は英語・日本語の通訳サポートを常時運営しています。利用にはパスポートが必要で、予約の段階で通訳が必要だと伝えておくと、当日の動きがぐっとスムーズになります。

そして帰国後に保険金を請求するつもりなら、会計のときにこの一言を忘れないでください。「진단서랑 영수증 발급해 주세요(チンダンソラン ヨンスジュン パルグペ ジュセヨ/診断書と領収書を発行してください)」。保険会社によっては診療内容が書かれた書類も求められますので、「진료비 세부내역서도 주세요(チルリョビ セブネヨクソド チュセヨ/診療費の明細書もください)」まで言っておくと安心です。あとから取り直すとなると、ずっと面倒になります。

言葉に詰まったときは、韓国観光公社が運営する観光通訳案内電話「1330」があります。24時間年中無休で日本語相談ができ、観光情報だけでなく医療や安全事故の状況でも、関係機関と連携して案内してくれます。命に関わる緊急事態なら119です。韓国の119は消防と救急を兼ねているので、火事も救急搬送も同じ番号でつながります。

整理すると、こうなります。薬はオリーブヤングではなく「약국」で、コンビニは13品目・1日分まで、夜は開いている薬局を先に検索しておくこと。そして病院に行く可能性を考えるなら、旅行保険と、書類をお願いする一言まで押さえておけば万全です。

なにより強い武器は「〜가 아파요」という形ひとつです。部位の名前を入れ替えるだけで、たいていの場面は乗り切れます。旅行中に体調を崩すことほど心細いこともありませんが、これくらい知っておけば、夜11時にコンビニの前で途方に暮れることは避けられるはずです。

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