K-POPファンの間では「第3世代アイドル」「第4世代ガールズグループ」という言葉が自然に飛び交います。でもこの「世代」が正確にいつからいつまでなのか、どのグループがどこに入るのかは、意外ときちんと整理されていませんよね。実は世代の区分に公式な定義はなく、ファンやメディアによって少しずつ違いますが、大きな流れは存在します。今回はK-POP30年の歴史を第1世代から第5世代まで、日本との縁と一緒にたどりながら整理してみました。この記事ひとつで、K-POPの会話に出てくる「世代」の話についていけるようになりますよ。
前史と第1世代(1990年代半ば〜)— アイドルシステムの誕生
K-POPアイドルのルーツを語るときに欠かせないのが、1992年にデビューしたソテジワアイドゥル(서태지와 아이들=ソ・テジと子供たち)です。ヒップホップやラップを韓国歌謡に本格的に持ち込み、10代の文化を揺るがしました。彼らの成功が、のちの「事務所がつくるアイドル」の土壌になります。
そして1996年、SMエンターテインメントが企画段階から体系的につくり上げたH.O.T.がデビューし、「第1世代アイドル」の時代が開きます。ジェクスキス(젝스키스)、S.E.S.、Fin.K.L(핑클)などが続き、10代ファンダムという概念がこの時期に定着しました。活動の舞台は主に韓国国内のテレビ。そして第1世代の終わりごろに登場したソロ歌手BoA(보아)が2001〜2002年に日本へ進出し、韓国歌手として初めてオリコンアルバムチャート1位を記録します。K-POP日本進出の扉を開いた、象徴的な出来事でした。

第2世代(2000年代半ば〜)— 韓流とともに日本へ
2000年代半ばからは、東方神起、BIGBANG、SUPER JUNIOR、少女時代、KARA、Wonder Girlsなど、今でも名前が通じるグループが次々と登場した第2世代です。この時期、K-POPは初めて本格的な海外ファンダムをつくりました。
日本の読者にいちばん親しみのある世代でもあります。2010年前後にKARA(카라)と少女時代(소녀시대)が日本に正式デビューし、特にKARAは2011年「ジェットコースターラブ」で海外女性グループとして初めてオリコン週間シングル1位に輝きました。新大久保のコリアタウンが韓流ブームで大きくにぎわったのもこのころ。「K-POP=日本でもチャートを席巻する音楽」というイメージは、この世代がつくったものです。
第3世代(2010年代前半〜)— 世界の頂点に立つ
2012年前後にデビューしたEXO、防弾少年団(BTS)、TWICE、Red Velvetなどが第3世代です。SNSとYouTubeを武器にファンダムが国境を越えて拡大し、その頂点がBTSでした。2020年「Dynamite」が韓国のグループとして初めて米ビルボードHOT100の1位に上がり、K-POPは名実ともに世界主流市場の頂点に立ちます。
日本との接点もいっそう深まりました。日本人メンバー3人(サナ・モモ・ミナ)がいるTWICEは2017年、NHK紅白歌合戦に出場。K-POPグループとしては2011年以来6年ぶりのことで、日本でも大きな話題になりました。「韓国のグループに日本人メンバーがいること」が自然になったのも、第3世代からです。
第4世代と第5世代(2020年前後〜現在)— デジタルネイティブの時代
2020年前後にデビューしたaespa、NewJeans、IVE、LE SSERAFIM、Stray Kids、TOMORROW X TOGETHERなどが第4世代と呼ばれます。テレビよりもTikTok・YouTubeショート・Weverse(ウィバース=ファンコミュニティアプリ)のようなデジタルプラットフォームで先に話題になり、デビュー直後から海外チャートに入るのが特徴です。日本人メンバーのいるグループもさらに増え、JYPとソニーミュージックが日本でつくったNiziU(ニジュー)のように「日本生まれのK-POP」という新しい形も登場しました。
そして2023年ごろからデビューしたグループを第5世代と呼び始めています。ただし第4世代と第5世代の境界はまだ議論の最中で、はっきりした合意はありません。トレンドとしては、激しいパフォーマンス一辺倒から離れて、聴きやすい「イージーリスニング」系の曲が増えたことが特徴に挙げられます。世代論自体、メディアとファンダムが後からつくる物語なので、「何世代か」より流れを楽しむのがいい、という見方もあります。
まとめると、K-POPは ①第1世代:アイドルシステムの誕生(H.O.T.、BoAの日本進出)→ ②第2世代:韓流とともに日本・アジアへ(東方神起・KARA・少女時代)→ ③第3世代:世界の頂点へ(BTS・TWICE)→ ④第4・5世代:デジタルネイティブと多国籍化、という30年の流れでつながってきました。世代の区分はあくまで便宜的な地図にすぎませんが、この地図を持っていると、K-POPの話はずっと面白くなります。これからこのブログでも、世代別の名曲や用語解説など、K-POPの話を少しずつ扱っていきますね。

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